健診や病院で肝機能異常といわれた方、飲酒や脂肪肝などで肝臓が心配な方はご相談下さい。

肝臓病には入院が必要な検査(肝生検やカテーテル検査)や治療(がんや肝不全など)がありますので、病状に応じて専門医が在籍する総合病院と連携した診療を行います。

肝機能検査の異常値

肝機能検査の異常値を指摘された時には、肝臓に関する血液検査(線維化、感染、ホルモンなど)と最新の超音波検査で肝臓の炎症および脂肪化、硬さを測定します。

従来の超音波検査では肝臓の「白さ」「ぼんやり具合」など大雑把な見え具合で炎症や脂肪肝を判定してきましたが、当院で導入している最新の超音波機器では、肝臓への脂肪沈着や炎症の程度、さらには肝臓の硬さを数値化して評価します。超音波検査中に痛みなど患者様への負担はありません。

肝機能検査の異常値

増加する脂肪性肝疾患(MASLD)。危険な脂肪肝に注意!

ウイルス性の肝臓病が減少するなか、飲酒やメタボリック症候群に関連する脂肪肝による肝機能異常が増加しており、人間ドックを受ける方の30%以上の方が脂肪肝による肝機能異常を指摘されています。

長年、NASH、NAFLDと呼ばれた非アルコール性脂肪性肝疾患は、2024年よりアルコール性脂肪肝を含めて代謝機能障害(メタボ)関連脂肪性肝疾患(Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease、MASLD:マッスルディー)と世界統一の呼称に変更されました。

多くの脂肪肝はほとんど進行しない良性の脂肪性肝疾患(SLD)ですが、1~2割の脂肪肝は肝臓に炎症が起きて線維化が進行し、肝硬変や肝がんに進行する代謝機能障害(メタボ)関連脂肪肝炎(Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis:MASH マッシュ)に移行します。MASHになると5~10年後には5~20%の症例が肝硬変や肝がんを発症します。

危険な脂肪肝に注意!

当院をはじめ全国の肝臓外来でMASH症例は増加しています。血液検査、超音波検査による肝硬度測定などによりMASLDの評価、治療を行います。

最新機器で「かくれ脂肪肝」も早期発見!

肥満や内臓脂肪の増加を基礎に2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病に連続する病態をメタボリック症候群と呼びます。脂肪肝はメタボリックシンドローム関連疾患の中でも比較的早期に現れることが多いです。初めから脂肪肝に糖尿病や高血圧を合併していることもありますが、脂肪肝と診断されてしばらくたってから糖尿病や高血圧を合併してくることが多いことから脂肪肝の早期診断と治療が重要です。

また、脂肪肝になると肝臓病の進行リスクのほかに、脳梗塞や心筋梗塞などの脳血管障害リスク、大腸がん、乳がんのリスクが1.3~1.6倍に上昇することがわかっています。

当院の超音波検査機器では、血液検査でも異常を認めないいわゆる「かくれ脂肪肝」も見つけることができ、エコーが示す脂肪沈着の程度(ATI)を計測して推移を把握することができます。

肝機能検査の異常値

B型・C型肝炎患者様の治療を長期にサポート

肝臓専門医である院長と副院長が慢性肝炎の専門治療を行います。
B型、C型肝炎に対して積極的に抗ウイルス剤治療をおこない、肝硬変への進行阻止、肝臓がんの発生の予防に取り組んでいます。

平成20年7月の開院以来、161名のB型・C型肝疾患の患者様が受診され、50名以上の方の抗ウイルス療法(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ治療)のサポートをしてきました(平成27年5月現在)。

このような当院の肝炎診療の取り組みを検証した内容を第48回日本肝臓学会総会、第41回日本肝臓学会西部会において取り上げていただき、発表しております。

B型・C型肝炎患者医療給付事業について

2008年4月より施行されたB型・C型肝炎患者医療給付事業により、抗ウイルス薬治療にかかる患者様の自己負担金が減免されます。

この事業は住民票のある自治体の保健センターが窓口ですが、診断書は指定を受けた「肝疾患専門医療機関」でしか発行されません。肝疾患専門医療機関とは、「専門的な知識を持つ医師による診断と治療方針の決定が行われ、抗ウイルス療法が適切に実施できる」と認定された施設です。当院は診断書の発行から抗ウイルス薬治療までスムーズにできるよう適切にサポートいたします。

病院専門医との連携

肝臓病には入院が必要な検査(肝生検やカテーテル検査)や治療(がんや肝不全など)がありますので、病状に応じて専門医が在籍する総合病院と連携した診療を行います。 主な連携病院は、過去に院長、副院長が在籍した名城病院の肝臓病センターをはじめ、総合上飯田第一病院、名古屋医療センター、名市大附属病院(西部医療センター、東部医療センター、名市大病院)となります。