※令和6年2月をもって渡航外来は終了しました。

日本国内ではまれな感染症に遭遇する海外において予防接種は身を守る有効な手段です。

海外渡航(赴任、旅行、留学など)される方が、滞在中や帰国後も健康に生活してゆくためには、行かれる国、地域、目的や滞在期間などにより様々な予防接種が必要となります。
日本国内で流通している予防接種だけでなく、世界で一般的に使用される海外製のワクチンにも数多く対応していますのでご相談下さい。

いずれの予防接種も予約制で行っております。常備していないワクチンもございますので、事前にお問い合わせ下さい。また、マラリアや高山病の予防薬処方、接種証明書や英文診断書の発行にも対応いたします。

当院で接種可能なワクチン

国内流通ワクチン

  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 日本脳炎
  • 破傷風含有ワクチン(小児DPT3種)
  • 不活化ポリオ
  • MR(麻しん風しん)
  • 麻しん
  • 風しん
  • おたふくかぜ
  • 水痘(みずぼうそう)
  • 髄膜炎4価(メナクトラ)

輸入ワクチン

  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • A型B型肝炎混合
  • 腸チフス
  • 青年用DPT(Tdap)
  • 狂犬病
抗体検査、各種予防接種の費用はこちら
  • 輸入ワクチンについての詳細は、こちらをご覧ください。
  • ダニ媒介性脳炎、コレラ、黄熱のワクチンは、当院では取り扱っておりません。
  • ワクチンの価格は、国内・海外の流通量や為替による影響を受けるため不定期に変更されます。

渡航先別推奨ワクチン

学会や厚労省検疫所から示されている渡航先別の推奨ワクチンについて、①年齢、②滞在期間、③準備期間、④渡航目的と行動、⑤本人や会社の危機意識、などの条件を加味して必要なワクチンを選択します。外務省「世界の医療事情」や渡航先の日本大使館ウェブサイトなどで最近の医療情報もぜひ収集してください。押さえておきたいポイントは「海外渡航ワクチン選択のtips」に記載してあります。

渡航先別の推奨ワクチンについてはこちら

予防薬の処方

マラリアの予防薬処方

価格(税込)
マラロン 10錠
(相談料・処方料・薬剤費込み)
13,200円
  • 11錠以上の場合、10錠ごとに5,500円となります。(例: 20錠処方で18,700円、30錠処方で24,200円)

最新の抗マラリア薬で、薬剤耐性の問題と副作用軽減の点で優れています。予防内服では毎日1回1錠、流行地に入る1日前から流行地を出た後7日間服用します。治療では1日1回4錠を3日間服用します。

メファキン(メフロキシン)など他の薬剤をご希望の方は、院外処方せん発行での対応となります。特殊な薬剤なので、事前にかかりつけ薬局で相談しておくようにして下さい。

高山病の予防薬処方

価格(税込)
ダイアモックス 5日分
(相談料・処方料・薬剤費込み)
4,400円

高地に到着する前日から到着後3~4日後まで内服を続けます。1日2回半錠ずつ朝夕に服用してください。

5日以上滞在する場合、徐々に体が徐々に順応して内服を終了しても高山病の症状は出現しにくくなります。国内では、富士山登山など高度2000m以上へ一気に登る、いわゆる「弾丸登山」で約半数の方が高山病になっているので対策が必要です。

海外渡航ワクチンを行う医療機関について

海外渡航のためのワクチン接種には一定のルールがあり、専門医療機関の団体である日本渡航医学会では海外渡航者のためのワクチンガイドラインを策定するとともに、メーリングリスト方式で全世界の学会員で最新渡航ワクチン情報が共有できるシステムを構築しています。当院も学会構成員としてガイドラインに沿ったワクチンの選択を提案しています。

海外では日本にはない病気があり、また、日本にいる時よりも感染する危険が大きい病気があるため、国内で流通しているワクチンだけでは渡航者の安全をしっかりとフォローできません。そのため、当院を含め専門医療機関では輸入ワクチン(国内未承認ワクチン)を一部で使用しています。

予防接種の種類によっては、2~3回接種する必要のあるものもあるため、なるべく早く(できれば出発3か月以上前から)接種するワクチンの種類と接種日程の相談をしてください。

消化器内科・肝臓内科の診療

 

輸入ワクチンについて

輸入ワクチンは国内未承認ですので国による安全性の確認もされておらず、副作用が出現した場合も国からの救済の適応となりません。しかし、欧米各国で生産、使用される一般的なワクチンですので安全性において大きな違いはなく、国内では年間4万本以上利用されています。

当院で使用する輸入ワクチンは、正当な手続きで輸入されたワクチンですので使用に制限があるわけではなく、防衛省や大学病院、日本赤十字など公的機関でも採用されており、輸入代行業者による副作用被害救済制度がついております。

 

渡航前の予防接種の受け方

予防接種の種類によっては、1ヶ月間隔で2~3回接種する必要のあるものもあるため、なるべく早く(できれば出発3か月以上前から)接種するワクチンの種類と接種日程を決定することが大切です。

日本国内の定期接種の時期と海外渡航の時期が重なる小児の方につきましては、渡航先での接種と帰国前後の接種で混合ワクチンの運用やワクチン成分の互換性の点でエラー(無効接種)の危険がありますので、海外小児ワクチンに精通した小児科医に事前に受診していただくことがあります。

予防接種までの流れ

  1. 電話でのご予約

    事前に「海外渡航ワクチン選択のtips」をご覧いただくよう願います。電話で渡航先、時期、目的、年齢、希望ワクチンなど伺い、来院日を決定します。可能な方は母子手帳をご準備下さい。

  2. ご来院

    受付ののち体温測定、予診表の記入をしていただきます。ご家族連れなど1件に時間を要する見込みがある際には、来院時間を指定させていただく場合がございます。

  3. 接種ワクチンの確認

    担当医より接種ワクチンの確認を致します。渡航目的やスケジュールによって予定ワクチンを変更する場合がございます。

  4. ワクチン接種

    なるべく複数のワクチンを同時に接種して、来院回数の軽減をはかります。

  5. 予防接種記録の発行

    当院で実施した予防接種の接種証明書(当院書式)を発行しております。母子手帳の翻訳などはお受けしておりませんので、ご了承ください。

  6. 次回来院日の確認

    お会計の際に、次回のワクチンの種類と来院日を確認いたします。

全員の方に予診票、予防接種歴表をお願いしております。待合室での記入は意外と手間と時間がかかりますので、下記の予診表ダウンロードをご利用いただき、ご記入して持参してください。

海外渡航のためのワクチンの予診票

予防接種をご予約された方で、キャンセル・日程変更される場合は必ずお電話にてご連絡下さい。ご連絡いただけない場合、来院予定日を過ぎた時点でキャンセル扱いとさせていただきます。

定期休診日(日・祝))以外に、年末年始、夏季休暇、その他の臨時休診による対応不能な期間がございます。その期間に予防接種が必要な場合は他の専門医療機関をご利用いただくことになりますので、接種記録を紛失しないようご注意ください。