VACCINE予防接種
※令和6年2月をもって渡航ワクチン外来は終了しました。
予防接種は感染症から身を守る有効な手段です。
地域の皆様が健康な生活を送れるように、小児から高齢者の方までインフルエンザや公的な予防接種など多くの予防接種を提供しております。
当院で可能な予防接種
インフルエンザ以外の予防接種は予約制で行っております。
常備していないワクチンもございますので、事前にお問い合わせ下さい。
インフルエンザ
インフルエンザワクチンの接種を10月より1月末日まで随時受け付けています。原則、予約は不要ですので受付時間内にお越し下さい。(10名以上の団体で来院される場合は事前にご連絡下さい。)
通常、中学生(13歳)以上の方は1回、小学生以下(13歳未満)は2回の接種です。
成人の方でも、呼吸器疾患、糖尿病、肝臓病、腎臓病など免疫力が不十分と思われる方は2回接種で実施します。
インフルエンザ合併の肺炎の約60%が肺炎球菌によるものです。65歳以上の方で肺炎球菌ワクチンを接種していない方は、併せて接種するようお勧めします。
インフルエンザ接種費用 | |
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中学生(13歳)以上 | 3,800円 |
中学生(13歳)以上の2回接種 | 2回目は 3,300円 |
小学生以下(13歳未満) | 1, 2回目とも 3,300円 |
名古屋市民で65歳以上の方は1回 | 1,500円 |
肺炎球菌(ニューモバックス23、プレベナー20)
高齢者の肺炎の原因となる肺炎球菌感染を予防するワクチンです。接種回数は1回です。高齢者施設居住者、デイサービス利用者など集団生活を送っている方は積極的に接種を受けてください。また、脾臓摘出患者の方は保健診療での接種となります。
ニューモバックスとプレベナーというワクチンの2種類があります。2014年から法律により65歳以上の方への定期接種となっており、定期接種で使用されるニューモバックスは1回の接種で5年間ほど効果が持続します。2014年に成人に認可されたプレベナーはより長期に効果が持続します。 定期接種での公費助成の対象となるのは肺炎球菌ワクチンの接種歴のない65歳以上の方です。公費対象とならない方にはニューモバックスかプレベナーかを選択していただきます。
肺炎球菌(ニューモバックス)接種費用
名古屋市民での65歳以上の方ではじめての接種 | 4,000円 |
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2回目の方、名古屋市以外の方、65歳未満の方 | 8,400円 |
肺炎球菌(プレベナー)接種費用
1回 | 12,000円 |
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B型肝炎
B型肝炎ワクチンは医科・歯科・清掃業など感染リスクの高い職場への就労予定者などを対象に実施します。
通常、0、1、6ヵ月後に3回の接種が必要で、その1ヵ月後の抗体価測定で効果判定をします。就業までに期間がなくても最低2回は接種する必要があります。
麻しん・風しん
麻しん、風しん、おたふくかぜの40歳台以下の抗体保有率は80%以下であり、5人にひとり以上が感染の危険に曝されています。小児期にワクチン接種を受けていても5%程度の人はもともと抗体を獲得できておらず、また、年齢とともに免疫が弱くなって抗体が消えてしまうケースも多いことが原因だとされています。まずは多くの方に抗体検査を受けていただくよう願っております。
抗体検査を行わなくても接種することは可能ですが、なるべく抗体価を確認して接種の要否を判断することをお勧めします。
水痘(みずぼうそう)・帯状疱疹
ヘルペスウイルス感染による水痘を予防します。将来の帯状疱疹リスクや成人初感染(重症化しやすい)についても効果が期待されています。日本では1回接種が標準ですが感染防御力が低く、約2割で軽く発症(感染が成立)しています。感染を予防するためにはアメリカやドイツのように2回接種(1回目から4週~1年に2回目)するようお勧めします。
抗体検査を行わなくても接種することは可能ですが、なるべく抗体価を確認して接種の要否を判断することをお勧めします。
水痘ワクチン(生ワクチン)は水痘の既往のある50歳以上の方には帯状疱疹の予防目的にも使用されています。
おたふくかぜ
ムンプスウイルス感染による耳下腺炎、髄膜炎(約1割)、膵炎や脳炎(まれ)を予防します。日本では1回接種が標準ですが抗体獲得率は約90%です。WHOは1回接種では予防効果が十分でないとして2回接種を奨励しており、2回接種が国際標準になってきています。2回接種(1回目から4週~1年に2回目)するようお勧めします。
抗体検査を行わなくても接種することは可能ですが、なるべく抗体価を確認して接種の要否を判断することをお勧めします。
子宮頸がん
子宮頸がん発症の主要な原因である発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち9種類の感染を予防する9価ワクチン(商品名:シルガード9)です。 子宮頸がんやその前がん病変のほかに外陰や膣に発症する病変(外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍)、尖圭コンジローマなどの予防効果も認められています。(ワクチンには、既に感染したHPVを排除したり、がんを治す効果はありません。)
この9種類のHPV以外にも発がん性HPVが存在するため、このワクチンで完全に予防はできません。20歳以上の方は2年に一度、名古屋市の健診(自己負担:1700円)を受けるようお勧めしています。
15歳以上の女性が対象で、今のところ上限は45歳ぐらいとされています。通常、0、2、6ヵ月後に3回の接種が必要です。
侵襲性髄膜炎菌感染症
髄膜炎菌(血清群A、C、W 及び Y)による侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD:Invasive Meningococcal Disease)を予防するワクチン(商品名:メンクアッドフィ)を1回接種します。
IMD は治療を行った場合でも致死率が 10%~15%に達する重篤な疾患でもあり、生存者でも 10%~20%で四肢切断、神経障害、難聴、その他の重篤な障害などの重度の後遺症が残ります。日本における IMD 患者報告数は、4 歳までの乳幼児と 15~19 歳の思春期未成年及び若年成人, 40~70 代前半に多くなっています。未成年及び若年成人の疫学的解析は、大学生が学年度の最初の月に寮生活や人が集まる場所など病原体の拡散を助長するような社会的行動に参加することにより、髄膜炎菌の保菌者が急速に増加することが示されています。
国内・国外での国際的大規模イベント(オリンピック、G7サミットなど)の参加者、警備担当者、警官や海外留学者が接種対象者となります。
RSウイルス
2023年に認可された60歳以上のRSウイルス感染症を予防するワクチン(商品名:アレックスビー)を1回接種します。
高齢者、慢性の基礎疾患(喘息、COPD、心疾患など)、免疫機能が低下している方は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高く、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。60歳以上の成人にとって新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスと並ぶ脅威であり、日本では毎年60歳以上の成人でRSウイルス感染症によって63,000人の入院と4,500人の院内死亡が推定されています。
帯状疱疹
小児期に水痘を罹患した方が、加齢やストレスなどによる免疫力の低下をきたすと、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。特に50歳から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症します。
小児に使用する水痘ワクチンと2020年に認可されたシングリックスというワクチンの2種類があります。水痘ワクチンは2016年から帯状疱疹予防として認可されており、1回の接種で5年間ほど効果が持続します。シングリックスは2か月間隔で2回接種(合計2本)することにより、より強力かつ長期に効果が持続します。 いずれのワクチンも名古屋市の公費助成の対象となるのは帯状疱疹ワクチンの助成歴のない50歳以上の方で、生涯に1度限りの助成となります。
シングリックスはすでにアメリカ、カナダ、ドイツなどで第1選択のワクチンとして評価されており、欧米では60歳以上の方に強く推奨されています。
水痘ワクチン(生ワクチン)接種費用
名古屋市民での50歳以上の方ではじめての接種 | 4,200円 |
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2回目の方、名古屋市以外の方 | 8,400円 |
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)接種費用
名古屋市民での50歳以上の方ではじめての接種 | 10,800円 |
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2回目の方、名古屋市以外の方 | 21,600円 |
当院で可能な小児の予防接種
法令で決められた公費予防接種、名古屋市による費用助成対象の任意予防接種の指定医療機関に指定されています。
定期予防接種
- 2種混合(DT)
- MR(麻しん風しん)
- 水痘(みずぼうそう)
- 日本脳炎
- 子宮頸がん
任意予防接種
- おたふくかぜ
- インフルエンザ
当院は1歳未満の定期予防接種の指定医療機関にはなっておりませんので、BCG、ヒブ、小児肺炎、B型肝炎、4種(DPT-IPV)、ロタウイルスの予防接種は対応できません。何卒ご了承下さい。
名古屋市の予防接種については、公式サイト(外部)をご覧ください。
予防接種で来院される前にお読み下さい
予防接種で来院される方は接種後、健康状態の変化をしばらく観察する必要があるため、診察終了時間の30分前までには来院してください。
任意接種ワクチンの予診票は、下記からダウンロードできるようになっておりますので印刷して来院前によく読んでいただき、来院日には記入した問診表をお持ち下さい。
公費負担のあるワクチンは、自治体指定の予診票を準備しております。接種予定(予約)日以前に窓口で配布することも可能ですので、ご近所の方はお気軽にお立ち寄り下さい。
愛知県内の自治体にお住まいの方は、事前にお住いの自治体で手続きをすれば当院でも定期接種を受けることが可能ですので、来院前に連絡票や予診票の取得を済ませておいて下さい。
予防接種で来院された方は、予診票を提出していただいた時点で診療受付とさせていただいています。待合室での時間短縮のため、説明文書と予診票の事前配布の活用にご協力をお願い致します。